
鷺沼駅前地区再開発計画の見直しとなりました。再開発は当初令和3年度から駅前街区工事の着手を予定していましたが、1年半程度先の令和4年度に先送りです。鷺沼駅前地区再開発準備組合は、コロナ禍による需要の変化や、「三密回避」など国が示した新しいまちづくりの方針から、新しい生活様式に沿った計画となるよう再度検討したいという申し入れを市に提出したとのことです。再開発計画の何が課題となったのでしょうか。
2022年11月24日 最新計画発表!
この記事の内容
ニューノーマル時代の鷺沼再開発計画とは?
まずは川崎市のホームページを見てみました。「新型コロナ危機を契機とした鷺沼駅前地区再開発事業の検証について」の報告として、新たな都市政策の方向性が示されています。
都市のもつ集積メリットは生かして、国際競争力強化やコンパクトシティなどは引き続き進めつつ、「三つの密」の回避など「ニューノーマル」に対応したまちづくりが必要。
・食中近接のニーズに対応いたまちづくりの推進・まちづくりと一体となった総合的な交通戦略の推進
・緑やオープンスペースの柔軟な活用
・リアルタイムデータ等の活用による、過密を避けるような人の行動の誘導
出典:新型コロナ危機を契機とした鷺沼駅前地区再開発事業の検証について
とした上で、具体的な参考イメージも掲載していました。推測も含みますが、下記のことが伺えます。

①開放感のある広場
これまで駅前広場のみ構成でしたが、現在のフレルの裏口付近にも広場が足されています。駅前広場は市民館・図書館の底層部が融和する形となり、開放的な空間を創出することをイメージしています。
②図書館のブック&カフェ
広場との融和とに加え、建物内の施設も異なるものが融合した施設になりそうです。わかりやすい例としては、武雄市図書館に代表されるような、ブック&カフェで、図書館の中にスターバックスがあるといった感じでしょうか。建物はL字形になっており、施設内の繋がりを感じます。

③リモートワーク施設
郊外における働く環境を整備し、職住近接のニーズに対応する方針から、コロナ禍で定着しつつある、リモートワークに対応すべく、新たに「業務」と記載された施設が追加されています。住宅に近接していることから、駅前のマンション住民のものようにも見えますが、多くの人が利用できることを願います。
④北街区・駅前街区デッキ
これまでの計画には、施設間をつなぐ計画はありませんでしたが、デッキによって、区役所立ち寄りと買い物を一緒に行えるなど回遊性が増したり、通勤・通学で駅に向かう際にデッキを渡って行ければ便利になることでしょう。
これらはコロナを契機にとしていますが、周辺住民や公共施設利用者にとって価値のある内容になっています。言ってみれば、コロナきっかけでなくても考えられた内容なのでは?と思ってしまいます。
検証はこの後1年にわたり続くそうです、本質的なニューノーマル時代、未来に向けた見直しとなることを願います。
住民反対 陳情書名7636筆
住民意見といえば、「宮前区役所・市民館・図書館の移転に反対し鷺沼駅前開発を考える会」の活動にも注目です。団体は計画の見直しが発表されたあと、鷺沼エリアを中心に区内外から移転反対の陳情署名を7636筆を集め、市に提出したというニュースがありました。
団体によれば、区役所他、区施設移転においては、理不尽な提起であり、フォーラムや意見交換会などで、事業者優先の事業であり、市民の意見を無視したものだと言われています。近年活動も大きくなり、署名の数も飛躍的に伸びてきています。今後の計画の見直しにおいて、無視できない存在であると感じます。
東急電鉄の赤字決算
最後に東急電鉄の状況ですが、新型コロナウイルスの影響により、創業以来厳しい業績であることが、報じられています。
・新型コロナウイルス感染症拡大に伴う需要減少や外出自粛の影響等に伴い、鉄道・ホテル事業を 中心に減収減益。
・不動産事業においては、前年開業した渋谷スクランブルスクエア、南町田グランベリーパークの 通期稼働による増収があるものの、商業施設等の減収や、前年の不動産販売事業における 物件販売収入の反動等があり、減収減益。
出典:全事業で減収減益…コロナで「東急」が直面する「厳しすぎる現実」
このような中で、鷺沼駅前地区再開発準備組合を運営方針も見直しを迫られたのでは?と考えざるえません。渋谷、南町田に比べたら桁の違う鷺沼の再開発ですが、投資回収できる内容にしなければならないはずです。この計画の見直し期間に、新しい生活用式、住民意見との融和し、正しい再開発がなされればと思います。
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